裸の王さま…うさぎホテル6

彼らはお城の一室を借り、さっそく仕事にかかります。

王さまが役人を視察にやると、

仕立て屋たちが忙しく縫ったり切ったりしている

「バカには見えない布地」

とやらは役人の目にはまったく見えず、

彼らは手になにも持っていないように見えます。

役人はたいへん困惑しますが、

びび王さまには自分には布地が見えなかったと言えず

「仕事は順調に進んでおります」

報告することにしました。

裸の王さま…うさぎホテル10

その後、視察にいった家来はみな「仕事は順調です」と報告します。

最後に王さまがじきじき仕事場に行くと

「バカには見えない布地」は、

王様の目にもさっぱり見えません。

びび王さまはうろたえるが、

家来たちには見えた布が自分に見えないとは言えず、

布地の出来栄えを大声で賞賛し、

周囲の家来も調子を合わせて衣装を褒める。

裸の王さま…うさぎホテル7

いよいよ、びび王さまの新しい衣装は完成した。

王様はお披露目のパレードを開催することにし、

見えてもいない衣装を身にまとい、大通りを行進する。

集まった国民も馬鹿と思われるのをはばかり、

歓呼して衣装を誉めそやします。

裸の王さま…うさぎホテル11

その中で、沿道にいた一人の小さな子供が、

王様は裸だ! 王様は裸だよ! 」と叫び、

群衆はざわめいた。

「裸か?」「裸じゃないのか?」

ざわめきは広がり、

ついに皆が「裸だ!」「王さまは、はだかだ」と叫びだすなか、

びび王さまのパレードは続くのだった。

裸の王さま…うさぎホテル8