うっ帯(毛球症)の治療と予防【うさぎ】
うちのうさぎが急に食べなくなってしまった…それは消化器系の「うっ帯」と呼ばれる症状がほとんどです。
うっ帯は、何らかの原因によって胃腸の運動が止まってしまい、「食べない」「お水も飲まない」「うんちがでない」「おなかにガスが溜まっている」状態です。
…うっ帯の主な原因…
①抜毛を多く飲み込んでしまっている…換毛に起こりやすい。(毛球症)
②気圧の変化…気圧の変化に弱いうさぎは、胃季節の変わり目や天候の変化により、腸の動きが悪くなることがあります。(長距離移動も当てはまります)
③ストレス…環境の変化や心的ストレスにより、胃腸の動きが弱まる場合があります。
…①については、どれだけグルーミングを行っても、うさぎは口の中にも毛が生えているため、完全に毛を飲み込ませないことは不可能です(昔は、こちらのみが原因とされ「毛球症と呼ばれていました」)
うっ帯になってしまったら…
①すぐに病院に連れていく…連れていける状態であれば間違いないです。
②自力で治療する…病院に連れていけばすぐに治るケースばかりではありません。よって今回は、自力で治療する方法を掲載致します。
…うっ帯の主な状態は胃腸の動きが弱まっていて、食べたものが詰まっています。よって、水分を取らせ、無理にでも食べさせること(強制給餌)が重要です。
強制給餌
ペレットをお湯でふやかして強制的に食べさせます。専用のシリンジはペットショップや動物病院で入手出来ます。1回に与える量は、ネザーやホーランド系でシリンジ1本半~2本分が目安、1日2~3回ほど。
野菜を食べるうさぎなら
…ペレットや牧草を食べなくても、野菜だけ食べる状態でしたら、野菜だけで治る場合もあります。
セロリの香りは、食欲を促す作用がある上、水分と食物繊維も摂れる為、セロリを与えることは特に有効です。(写真のミッシュちゃんは、薬も使わずセロリ1本でだいたい治ります)
③胃をマッサージする
うさぎの胃はあばらの中にあります。やり方は、あばらの下に指を入れ、優しく押してあげる(心臓マッサージと同じく、マッサージをすることで胃が動き出す場合があります)
その他…背中にお灸をする。
…失敗すると火傷しますので、私はオススメしません。
ここだけの話、うさ飼いさんの中には、病院で多めにお薬を貰っておき、余った分は冷蔵庫で保管して症状が出たら使っている方もいます。立場上、オススメは出来ませんが使用する場合は必ず他の容器に移してから使用して下さい。
…なぜならお水やうさぎの唾液などが入ってしまうとカビが発生してしまいます。また、経験上液状のお薬の方が効果は高いと感じています。ちなみに病院での治療はビタミン系と点滴(栄養)の皮下注射がほとんどです。
効果が不明瞭なもの
酵素を含む食べ物…パパイヤ・パイナップル・リンゴなどに含まれる酵素は、胃腸に詰まったものを溶かす作用があると言われていましたが、即効性があるわけではない為、水分をとらせて分解させた方が早いです。
やってはいけないこと
①胃腸を切る手術をする
…現在は、手術を勧める獣医は大分減っていますが、胃腸を切るとほぼ助かりません。勧められても断りましょう!
②お腹がパンパンだからと強制給餌しない
…うっ帯になると、食べたものがお腹の中で腐敗してガスが発生します。(この状態を急性胃拡張といいます)ここで強制給餌をしないと胃腸が止まってしまい余計に症状が悪化します。また栄養不足により、さらに衰弱します。
③市販の乳酸菌は与えないで!
…うさぎさんを不安がらせない
うさぎが病気になっても飼い主様は、冷静に対処しましょう!
うさぎは感情を読み取ります。
「大丈夫!」「すぐ元気になるからねっ!」と安心させてあげてください。また、介護を通してうさぎさんとの絆も深まります。
うさぎケージの中が、急にうんこくさくなったら…胃腸が動き出して、お腹に溜まってたガスが出た証拠です。回復まであともう少しです!
うっ帯の予防について
日頃から野菜を与えることは、必要な水分や食物繊維、ビタミンを摂取できるので特に有効です。
運動をすると、うんちも沢山出てきます…腸が活性化しますので、毎日適度な運動はさせましょう!